「5G銘柄の行く末」の補足記事①
先日書いた記事への補足です。
ツイッター見てる方は被る内容もあるのですが、ツイッターは見てないけどブログ村やはてブからのみブログ見てるよ!て方もいるかもなので記事にしました。
元の記事はこちら。
先日の記事は長くなったので、余談は省いてしまいました。今回は補足記事です。少し深堀した感じですね。いつもの19時に上げる記事とは別で上げています。補足記事①としたのは、これからも書く可能性があるからです。ただ、書かない可能性もあります。話題に上がれば…ですね。
さて、元の記事ではHWにネガティブと書きましたが、ちょっと言葉足らずだったので補足をしておきます。
ライナスは「高収益企業に長期投資」の方針を立てているので、手数料ビジネスやサブスクリプションなど、CFを稼ぐ仕組みが出来上がっている企業を好む傾向があります。利益率が高いです。HWの製造、販売などはこういう仕組みづくりがどうしても難しいです。
ここからは「5G関連」と言うより、サーバやネットワーク機器、その他周辺機器(ストレージ、例えばWDなど)についての話です。ライナスは前職ではSIerだったため、HWをメーカーから仕入れて、設定、構築した上でお客様に売ることもしていました。
ビジネス用のサーバであれば、基本的には有料保守に加入します。延長も可能ですが、大体5年です。保守切れの際にサーバを交換し、OSやSWもバージョンアップし再構築するケースが多いです。現在は仮想化技術やクラウドがあるため、そのまま移すこともあります。
HWがパイを奪い合う、と表現したのはここで「乗り換えのチャンス」があるからです。価格や信頼性や企業側の好みなどもあるものの、基本的にサーバは独自性を出しにくいので乗り換えが容易です。
これはあまり独自路線を走りすぎると、専門の技術者が必要になり、ニーズから外れてしまいます。ある程度規格化されていて、それなりに吸収できるように作られていることが多いのです。
スマホも多くはそうですよね。
ボタンの位置などが異なることもありますが、Android用のハードウェアにiPhone用のOSが入っても、iPhone用のハードウェアにAndroid用のOSが入っても、使う側はまぁそれなりに何とかできると思います。
ただし、ネットワーク機器などはHWに合わせて独自のOSを持っています。シスコなどはios(Appleではない)と呼ばれるものが使われていますので、ちょっとHWそのものオンリー…とは異なる部分がありますね。ストレージなどの周辺機器もSW内蔵で独自の機能を持たせていたりします。
さて、ハードウェアについて「中長期ではネガティブ」としたのは、どこかでパイが頭打ちになった時、乗り換えやすく奪い合いになる…と言うことでした。IBMは過去絶大なシェアを誇っていましたが、今はサーバ製品などはLenovoに売却しサービスやクラウド事業を中心としています。同じようになるのでは?と言う懸念からです。
ところがパイが増えれば話は別です。
5Gの活用が進めば、ネットワークを介したサービス利用が盛んになります。〇aasなどと呼ばれますね。なんちゃら アズ ア サービスです。MaasならMobility as a Serviceです。
交通手段、移動手段であるモビリティをサービスとして捉え、提供する…まぁ自動運転とかこの辺に入るんですかね。とにかく「サービスが盛んになる」わけです。より多くのサービスを回していくには、より多くのサーバが必要です。より多くのサーバとクライアントをつなぐには、より多くのネットワーク設備も必要です。
つまり活用が進み始めたタイミングではパイが増えていくわけです。そしてサービスが伸び続け、増え続ければ、パイも増え続けます。ってことはハードウェア企業にもチャンスがあるのでは!?と思うかもしれません。しかし一部を除いて課題ありです。
例えばネットワークではホワイトボックススイッチなるものがあります。先ほどシスコを例に挙げるとiosなど独自のOSとセットになっている、と書きました。当然このHW+OSで製品として販売しています。しかしホワイトボックススイッチはOS部分がなく、HWだけです。中身は自分で何とかするわけですね。小規模では意外と割高です。
じゃあ普及しないのでは?と考えるかもしれませんが、そうでもないのです。なぜなら、オンプレミス(自前でハードウェアを持っていた)からクラウド全盛になったように、今後もハードウェアの所有者はクラウド事業者に集約されると思います。
代表はAWSのAmazon、Azureのマイクロソフトですね。他IBMやOracleなどもクラウドはやってますが、まぁ…。クラウド事業者のハードウェア利用規模は超大規模です。メーカーから買うより、OEM契約をしたり、手ごろなハードウェアメーカーを買収して何とかするかもしれません。大手クラウド事業者ほどの規模であれば、小規模では割高なホワイトボックスを使いこなせるでしょう。
様々な企業が自前でサーバを持っていたいた頃は、企業の好みや使い慣れている、コネがある、などパイを分かち合えました。買い手はメーカーから買うしかないので需要がありました。しかしもし、クラウドベンダーが全て自力で何とかしてしまえば、メーカーは「業界内で増えた需要≠販売余地」となるわけです。
業界内で増えた需要≠販売余地
これ、大事です。どう売っていくか。もちろんいきなり客がAmazonとマイクロソフトになるわけではありません。クラウド事業者が多く握る可能性が高いだけで、オンプレミスの需要もまだまだあります。
しかし投資家の皆様ならわかるはずです。
「売れるか」「売れないか」じゃないんです。「今までより売れるか」「今までより売れないか」「期待以上に売れるか」「期待ほど売れないか」が大事になってくるわけですね。業界内でパイが増えても、自分の狙えるパイが増えるとは限らない。この可能性を考えると、なかなか銘柄選びは難しいです。
繰り返しますが、「高収益企業に長期投資」の方針で見た場合の話です。短期的には急増したパイがバンバン回ってくる可能性もあります。今回の例でいえば、ホワイトボックス機器に採用されるパーツのメーカーは大きなチャンスを得るかもしれません。クラウド事業者が自前製造目的で買収される新興メーカーがあるとすれば、かなりの値上がりが期待できるかも…?
さらに前述の通り、ホワイトボックスは大規模でないと割高になる傾向があるので、小~中規模はメーカー製です。安心して使える大手企業の製品も多く選ばれるでしょう。なので必ずしも既存メーカーが衰退するということではないです。
ただ、全ての需要増が特定の企業に集中するわけではないので、もし利益数倍、数十倍を見越した超高PERなら警戒したいですね。例に挙げたシスコは特に高PERではないので問題ないかもしれません。
ツイッター上ではIT系サーバ製品、ネットワーク、周辺機器以外に、医療用ロボットなども話題にあがりました。これは5Gも絡みますし、AIやRPAにも絡んでくるので、先の「5G」に絞った記事の内容より、もっと広い範囲で影響を考えなければならないと思います。
医療用品の場合、メンテナンス費用など、ハードの販売以外でも継続的にキャッシュを稼ぐ手段を確保することができます。ISRGはその状態ですね。ダヴィンチの販売もですが、販売した後のメンテナンスなどでCFを稼いでいます。
つまり、販売台数は増減するので沢山売れればボーナス状態ですが、メンテナンス部分は合計販売台数の増加に伴い漸増するわけです。この場合は(期待以上かはさておき)増収自体は期待できます。
なので前回の記事ではIT目線で「ハードウェアはネガティブ」と発言していましたが、製品や売り方次第でそうでもない…と言うケースもある、と言うことは意識しときたいです。
ちなみにこれだけハードウェア大丈夫かなーなんて言ってますが、ライナスは外資系ハードウェアメーカーのテクニカルセールスです。ハードウェア企業のアンチどころか、属しちゃってます。
それゆえに業界における懸念にも敏感ってことでもありますが、逆に自分のことだから心配しすぎな可能性もありますね。これだけ書いておいてHW株が長期的に爆上げしたら笑えないです(;´Д`)
補足記事のはずが思ったより長くなってしまいました。この手の話題は筆が乗ると長文になりがちでダメですね。
それでは今日はこの辺で。
明日は大吉☆(。>ω<)b
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