【書評】「もみあげ流米国株投資講座」の読み方
ライナスです。
プライベートでも仲良くさせていただいているもみあげ氏が書籍出版とのことで、発売日前に献本いただきました。早速読んでみたので書評を書きたいと思います。
ただ、今回は感想としての書評と言うより「私ならこう読む」「こう読んだ方が勉強になりそう」と言う意見も交えて書きたいと思います。
※もみあげ氏の意図と異なってたら申し訳ない!指摘もらえれば直します(ノ∀`)w
長く売る気はないのか!?
もみあげ氏…は、まぁそういう性格だとして、出版社は「よくこれで行ったな」と言うのが第一印象です。
後述しますが、投資本って息の長い本にするためには1冊目は「無難ながらキャッチーな投資手法」を書いておいた方がいいんですよ。今も、1年後でも、5年後でも、10年後でも使える。そんな本にした方が長く売れるじゃないですか。
んで、2冊目で銘柄に触れていく。2冊目では「1冊目で紹介した投資手法を活かして…」とか書いた方がセットで買われる可能性が出てくる。つまりマネタイズがしやすいんですよね。特にブロガーやツイッターのように次々フォロワーが増え広がりを見せる場合は尚更です。
ただ、この本はガッツリと「今と近い未来」にフォーカスしています。もちろん過去のデータもありますし、長期投資家に向け長い目で見たビジョンについても触れています。
でもメインターゲットは「今投資をしている人たち」「これから投資を始めたい人たち」だと感じました。発売日に本を手に入れたら土日のうちに読んで翌週からの投資に役立てたいくらいすぐに役立つ情報が満載です。これはこれで読者にとっては良いことです。個別銘柄にもガッツリ触れています。
ただ、1年後、5年後、10年後にもし、市場の主役が交代した場合、本紙はどこまで読まれるのか?立ち読みしたら「古くね?」って思われて売れなくなるのではないかと。つまりこの章の冒頭で書いた「1冊目は無難」と真逆の内容だと言うことです。ロングセラーを狙うより「すぐに役立つ濃密な情報を」と言う信念が伝わる本ですね。
ここで最初のセリフをもう一度。もみあげ氏…は、まぁそういう性格だとして、出版社は「よくこれで行ったな」、と。
序盤は初心者向け
序盤は投資初心者向けの内容です。私の感覚では大体80ページくらいまででしょうか。全体で320ページあるうちの80ページと言うと、初心者向けの基本的な内容は薄いのか?と思われがちですが、初心者が知っておくべき投資エッセンスをギュッと詰め込んだ感じですね。あまり投資に詳しくない方相手なら、そこまで読めば多少ドヤれるくらいの知識量にはなるかと思います(笑)
何故投資が重要か、資産運用における目標設定、色々な投資手法について、投資手法の選び方などなど、基本的ながら必修項目とも言える投資哲学や投資の基礎について書かれています。
中級者~上級者の方にも気づきのある内容ではありますが、投資スタイルが確立されている人は斜め読みでも良いでしょう。「俺もルーキーの頃はこういうの勉強したな…」と言うなつかしさすら感じると思いますꉂꉂ(ˊᗜˋ*)ただし56ページ目からの「投資手法の選び方」は今一度、(自称)中級くらいの方までは読んでおくべき内容ですね。
中盤からの内容が実践的な内容になるだけに、初心者の方にもわかりやすく手短に「本質」にたどり着くための道を記したように感じました。ここで自分のスタイルのようなものを漠然とでも構いませんので、イメージしておくと良いでしょう。
中盤からが本題であり「本質的」だと感じる
中盤と言っても80ページ以降ですので、序盤と言えば序盤ですかね。ここからGAFAM、ナスダック銘柄、成長銘柄、高配当銘柄、増配銘柄、ESG銘柄などなど…それぞれに属するセクターや銘柄の特徴について語っています。
特に「本質的」だと感じるのは、データや財務だけではなくビジネスの中身とそのビジョンについてしっかりと触れている事ですね。もちろん世の中の動向と企業への影響、エコシステムについても触れられています。
自分の過去記事の宣伝となってしまいますが、過去、こんな記事を書きました。
株を買うときは企業の表面的なビジネスや財務以外に、「世の中が企業にもたらす影響」「企業が世の中にもたらす影響」「企業が他の企業にもたらす影響」と言った「経済的エコシステム」とその繋がりをしっかり理解する必要があります。
これは企業を経営する上では当然考えるべきことで、経営者以外にもマーケティングの方はよくよく勉強されている視点かと思います。しかしツイッターを見ていると、こういう視点を欠いた方も散見されます。特に投資を始めたての方に多いですね。
もちろん私も投資を始めたばかりの頃はそんな視点を持てずにいましたが、本書ではそこを蔑ろにすることなく、投資をどう学び、銘柄をどう分析し、実際の運用にどう反映するかが書かれています。
そして意外にも一部の小型グロースについても触れています。本書でも「難易度は高い」と書かれているものの、そもそも難易度が高いものはあまり取り上げられない事もあります。言うなれば「余計な事は言わんとこ…」というやつですね。
ただし今の相場を見ての通り、一昔前に人気だった高配当株や安定大型株よりも小型グロースの方がリターンが高いのは事実です。だからと言って私は安易に「小型グロースを買いましょう!」とは言いませんし、本書でもそうは書かれていませんが、小型グロースに挑戦したいと考えている人も多いのではないかなと。そこもしっかり押さえているのは市場を広く見ているもニキらしいと言えますね。また、米国在住者ならではの現地目線の情報もしっかり取り入れられています。
最後に、巻末にあるURLからダウンロードできる付録では(これ書いていいのかな…ダメだったら消します)投資本ではあまり語られない出口戦略や皆様注目の大統領選挙とその影響まで書かれています。
本書のオススメの読み方
長くなってきたのでタイトル回収をしましょう。本書の読み方についてです。
結論を言えば(前の章で大分書いてしまいましたが)経済的エコシステムを考えながら読むと言うことです。
序盤で書いた通り、本書は個別銘柄について触れているため「5年後10年後には旬が過ぎる」かもしれない情報もいっぱいです。
例えばGAFAMについて書かれていますが、将来はパラダイムシフトによりGAFAMが淘汰されたとしましょう。そうしたら「GAFAMの企業情報や財務分析」自体はあまり役に立たなくなります。他の章でも特定銘柄の情報を、「特定銘柄の情報」とだけ捉えては旬が過ぎたら古い情報となるだけです。
学ぶべきはそこではなく「何故この企業が伸びているのか」「どのようなビジネスをしているのか」「世間にどのような影響をもたらしているのか」「他の企業とどんな関りがあるのか」「次世代ではどのように評価されるのか」と言うことです。
第二第三のGAFAMが出て来た時に、企業のビジョンとエコシステムを理解していることで「この企業は成長しそうだ」「この企業はモートがある」と言った慧眼を養うことができるでしょう。また、エコシステムの繋がりを深く追えることで表面的な情報に惑わされることなく、多角的な視点を身に着ける事ができます。
本書で触れられている銘柄分析を参考に、本書で触れられていない銘柄の分析に活かす。そのための「本質的な思考」を学ぶべきだと思います。
ただ文字を追うだけではなく、「考え方」を学びましょう。知識として丸暗記するのではなく、知恵として読了後の投資思考に活かしましょう。本書はそれを可能にするためのエッセンスが詰まっています。暗記本ではありません。思考本です。
それでは…
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